遺産をしっかり評価し、分割対策を早めに
年8千件超の家事調停が発生
◎ 相続対策というと、「相続税」の対策と考えられがちです。しかし最
近の相続に関わるいろんな紛争(=争族)事例を見てきますと、「相続税
」を納めることもさることながら、「相続税」はでなくても、「遺産分割
」についての争いが多くなってきています。遺産分割を巡って、骨肉の争
いが起きないように、事前に対策を考えておくことがますます重要になっ
ています。
◎ 現在、相続(死亡)の92%は、相続税課税最低限以下の財産しかな
く、課税されていません。かといって「我家には関係ないこと」と考える
のはちょっと待ってください。そう言いきれないことは、ここ数年間に年
間8000件以上の遺産分割を巡る家事調停事件があることからも明かです
。 遺産の約七割が土地であることが主な原因であるとはいえ、無視でき
ない件数です。
このような事例も
本人(死亡) 妻は健在 長女(同居) 次女(嫁ぐ)
(遺産)
居宅 相続税評価額 300万円
土地 同 3500万円
現金 同 1000万円
・ この場合、基礎控除(4800万円=3000万円+600万円×
3人)以下ですから相続税は課税されず、相続問題はなにも起きないよ
うに見えます。ところがここで、財産の分け方が問題になります。遺言
があればそれに沿っていきますが、なければ相続人が話し合って決めま
す。妻としては、同居の長女に家と土地の2分の1にあたる1900万
円相当を、次女には現金500万円を、自分には家と土地の2分の1と
、現金500万円を残しておきたいと考えています。ところが次女は、
長女の金額と1千4百万円もの差があるを不満に思い、不公平だ、「は
んこ」は押さない、と言ってきたとします。この場合、どうしますか。
・ このようなケースは意外に多いのです。思わぬところで紛争になる
ことをさけるために、相続対策として、「税金」だけでなく、遺産分割
についても事前に検討しておく必要があります。その際の主な注意点を
3つ挙げると-
① 遺産の種類、評価額を試算し、相続税発生の有無を調べる。特に、
土地の評価額は相場と違い評価方法があります。しっかり見積もって
おき、基礎控除や、非課税扱いとなる金額がないかどうか試算します
② 財産分割をどうするか検討する。自宅や、事業資産など、分割しに
くい財産などを誰が相続するかの検討は、是非必要です
③ 財産分割が円滑に進むための対策を立てておく。遺留分の割合や、
二次相続、税金がでる場合のそれぞれ相続人の負担と納税資金を考慮
しておきます
まずは、調べてみましょう
◎ 特に、不動産が遺産の主体の昨今、『争続』とならないためにも、早
めに財産を把握し分割対策をとっておくことが、権利の主張が強まって
いく時代には是非必要なことでしょう。その際、現金預金や生命保険金
など、分割しやすい財産でバランスをとったり、生前贈与を活用するな
どの対策が大切です。
◎ そのためにも、まずは財産がいくらあるかを調べてみませんか。当事
務所では、財産の把握を相続税評価方法に基づいて行います。また、分
割のシュミレーションを納得できるまで行い、どの方法が納得できる最
良の案なのか、提案いたします