蘭

  

相続等にまつわるブログや小話


035 役員給与改正の影響 平成18年5月

 

 最近の税務関係誌は役員給与(報酬)関連の記事が多いです。役員給
与の改正が企業にもたらす影響が大きいことの表れでもあり、特に中小
企業にとって特殊支配同族会社関係の改正は、その影響(増税)が大き
く税理士の研修会でも話題になっています。「特殊支配同族会社の役員
給与の損金不算入」制度の概要は、①業務主宰役員ーグループの持株割
合等が90%以上で、かつ②常務に従事する役員に対する業務 主宰役員
グループ役員の数が50%超の同族会社は特殊支配同族会社とされ、業務
主宰役員(1人)の給与額の給与所得控除額分が損金不算入となる、と
いうものです。しかし、基準所得金額が、①800万円以下、あるいは 
②800万円超3,000万円以下で、一定の条件の下では、適用が除外され
ます。基準所得金額の計算の趣旨は、業務主宰役員給与が支給されなか
った場合における所得金額はいくらかを求めるというものです。業務主
宰役員がいなかったら企業が成り立つのかと素朴な疑問もありますが、
この計算がすこし面倒なため、給与がいくらだから御社は該当しますと
すぐに答えられないのがもどかしさがあります。ある税務雑誌の試算に
よると、基準期間の業務主宰役員給与の平均額が1,500万円超であれば、
所得金額がいくらであっても、給与所得控除額分が損金不算入となり、
また同平均額が400万円を超えると、損金不算入となる可能性が高まっ
て、当期の税負担が増すことになりそうだ、としています。この改正は
18年4月以降開始事業年度から適用され、特殊支配同族会社の判定時
期は年度末です。すでにいろいろな対応策(?)が囁かれています。
Ⅰ 90%未満にするため株式を譲渡してしまう。留意 ① 経済的合
理性・正当性から見てみなし規定に抵触しないか。② 議決権株式が第
3者へ移転することの将来の不安。
Ⅱ 役員総数の割合を変える。  ① 「常務に従事する役員」は実質
的な経営従事形態で判断される。
Ⅲ 業務主宰役員の給与を下げる。 ① 給与の減額も可能だが、法人
所得が増え税の減少は期待薄。 ② 他の役員より主宰役員のほうが低
額の妥当性はあるか。
Ⅳ 役員給与を下げ、家賃等の支払を増やす。①合理的な理由があるか。
 などなど  いずれにしても税制改正後まもなく取り扱い解釈も定ま
っていないような状況なので、対応は慎重にしていくことが肝要です
。    株主総会時に役員給与を期首に遡っての増額改訂ができなくな
ります。 今年の税制改正(定期同額給与)とあわせ、現行の(一括支
給分の損金算入を特例的に認めて来た)法人税法通達が廃止される予定
です。

035 事業承継 後継者不足

 

 中小企業庁が17年度白書を公表しています。そのなかで 中小企業
経営者の多くが“事業承継問題”で悩み、経営者の高齢化や後継者不足な
どに伴い、今後数年のうちに深刻な廃業数の増加が生じる可能性がある
と予測しています。事業承継問題は、事業承継税制などでは対応しきれ
ない問題となりつつあるようです。一方で1円会社等、最低資本金特例
制度の利用法人は一定の効果を発揮し3万3千社の増加になっていると
も報じています。一方で企業の減少を嘆き、方や企業経営の意欲を削ぐ
ような税制改正があり、複雑。


035 営業権 意外に多額な評価額

 

 「営業権の評価」をしばらくぶりに行い改めて驚きました。漠然と評
価額があがっているとの認識はありましたが、営業権を想定していなか
った法人の評価額が思いもかけず高額になっているのです。 この理由
が、16年に改正された基準年利率の低下です。この10年で、8%→
3%と順次低下し16年6月からは1.5%と4分の1までに引き下げら
れています。  評価の計算は以下の式のとおりで、総資産額の1.5%し
か資産価値からの収益力を認めていないという事です。10年で4分の
1にまで激減するほど収益力は低下したのでしょうか。基準年利率の低
下は、複利年金現価率も押し上げ営業権評価額をアップさせます。平成
15年では営業権が評価されなかったのに、16年から一挙に多額の評価
額を計上しなければいけないほど、収益性は改善してきたのでしょうか。
また現在の収益性が10年継続していくと考えている経営者がいるでし
ょうか。企業者報酬も実体からかけ離れた金額に設定している点もあり
ます。営業権によって自社株の評価額が予想以上にアップしている場合
があります。注意しましょう。 (超過利益金額) 平均利益金額×0.5-
企業者報酬の額-総資産価額×基準年利率 (営業権の評価) 超過利益
金額×営業権の持続年数(10年)対応の複利年金現価率


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