相続等にまつわるブログや小話
022 着々と「あるべき税制」へ 平成17年5月
いま税務会計を取り巻く情勢は、着々と「あるべき税制」へと動いて
います。少子高齢化、金融資産一体課税、今国会で成立する会社法、税
制改正された帳簿書類の保存は7年へと延長、中小企業の会計指針作成
の動き、そして税制調査会の個人所得課税の所得区分見直し、さらには
消費税関係の改正と税率の引上げ予想などです。
会計基盤の強化---中小企業の会計指針作成の動き
青色個人の特別控除が55万円が65万に引き上げられますが、それ
には正規の 簿記にしたがった記帳が求められます。もとより法人・個
人事業者の記帳は税務署 のためにするものでなく経営業績を把握し経
営計画を実践していくための大切な基 礎資料です。さらに商工会議所
や税理士会等が、中小企業の会計の、統一的な指針の作成に向けた審議
をしています。大企業の会計基準のような厳格な内容ではなく、実務負
担に一定の配慮がなされた一定の規範となるものと考えられます。
消費税改正の動向とあわせ会計基盤の強化が図られています。
「不動産所得」「一時所得」を廃止し、「年金所得」新設、「退職所
得」を見直しに! 税制調査会は金融所得の一体化を一区切りして所得
区分全体の見直しに動き始めました。複雑、解りにくいと言われる所得
区分を、優遇面の見直しや前述の記帳厳格化とあわせ、簡素統一化しよ
うとするものです。総額60兆円と言われる「給与所得控除」を縮小し
「実額控除」を増やす給与所得改革(?)にも手を付けていこうという
ものです。 大きな変革であり、紆余曲折が予想されます。
022 有限会社の行方
「会社法案」が。5月17日衆議院通過し、今第162通常国会で成立
の見通しです。話題なっている有限会社についてみてみると。有限会社
制度は廃止となり既存の有限会社は、新会社法施行後は株式会社(特例
有限会社)として存続します。いままでの有限会社の定款、持分や出資
1口が、株式会社の定款、株式および1株とみなされ、「有限会社」を
商号として用い実態としては既存の有限会社の まま存続(新会社法が
施行された時点で既に株式会社になってる)できることとなります。
その後、特例有限会社が株式会社へ移行するには、「組織変更」では
なく、定款変更による「商号変更」をします。法律の施行を持って新株
式会社にすれば効率が良さそうですが、注意しておくこともあります。
現行税法上の株式会社への組織変更では、資産の評価益計上が認められ
ており、債務超過や繰越欠損金を抱えている場合有限会社からの組織変
更時に評価益を計上することで株式会社化と財務内容の健全化とを一度
に行うことが可能です。しかし当然1千万円、取締役、決算公告、消費
税事業者といった課題をクリアしなければなりませ ん。特例有限会社
であれば、施行前の組織変更時のような公告等が不要であり、より簡易
に株式会社へ移行(商号変更)が可能となっていますが資産の評価益
計上ができない点などメリット・デメリットがあり、一考しましょう。
022 良医(よい経営者)
先日の朝日新聞に「問診によって患者の訴えや症状から総合的に的確
な判断をしうる能力を向上させようと医師達で研修を行っている医者が
いる」との主旨の記事がありました。短い時間で判断を求められるお医
者さんには大変で申し訳ないけれど、患者の立場にすればそのような研
修が大いに広まることを期待します。このようなことはどの事業経営者
においても同じように必要で、総合的に的確な判断を求められることに
かわりはありません。
022 高額納税者の公示が廃止
この4月から個人情報保護法が施行され、「個人情報」や「情報流出
」の文字が躍っています。そしてとうとう永年続いた「高額納税者の公
示」が廃止されそうです。 所得や納税額は個人情報の最たるものです
から当然と言えば当然でしょうが、地方レベルは別にしても大物政治家
とか芸能人がどれぐらい稼いでいるのかと言う話題性はあってもいいか
な・・。