サポート通信 19年8月 (45号)
   年金受給権には相続税課税 その年金に所得税課税
       
生命保険の個人年金保険に係る長崎地裁判決で波紋

 相続税の課税の対象とされるものに土地や預金などとともに生命保険契約に基づく年金受給権があります。相続後、土地を譲渡すると譲渡所得として課税されますが、必要経費となる取得価額は亡くなった人の取得価額を引き継ぎます。(相続財産の評価額はもっと高かったと思うけど)。預金を引き出しても当然所得税はかかりません。しかし相続人が年金受給権の年金を受け取った場合、雑所得として課税されます。「年金の受給権」として相続税の課税対象とされたのに再度課税するのはおかしい(所得税法第9条非課税規定)として裁判が起こされ、長崎地裁が「その通り」と判決しました。(18.11.7判決)控訴中。
 今後の判決いかんで、現行の相続税と所得税との法律解釈や実務の取扱いに大きな影響を及ぼすとして波紋を広げています。
          
 
  未支給年金の課税 

 年金時効特例法による時効分の年金の支給が行なわれるようになりました。当然の措置だと思います。年金をもらった場合の課税関係はどうなるの、というと、国税の徴収権が5年で消滅することから,遡及支給部分のうち時効に該当する分は課税されません。しかし直近5年間の年金については、本来の支給日の属する年の雑所得として課税されます。その際年金を受け取る者が既に死亡しており、遺族が未支給年金を受け取れば遺族の一時所得となります。

  税理士会が税制改正建議書を財務省等に提出
 
 税理士は税法を遵守しますが、現在の税制がすべて良としているものではありません。
客観的に見ておかしい、あるいはこのようであるべきだという事項について、税理士連合会は毎年財務省や国税庁などに税制改正建議書を提出しています。今年の主な要望事項は

「役員給与に関する業績悪化事由を明確化してほしい」
「消費税の簡易課税及び免税の基準期間制度・事前届出制の廃止してほしい」
「高額給与所得者の給与所得控除額の制限すべき」
「新たな事業承継税制の創設してほしい」などです。

    原価など他の科目で処理される税務上交際費の処理

 法人税では交際費課税制度が設けられています。5,000円以下の飲食費の損金算入制度など処理もやっかいです。税務上は交際費として処理すべき支出金が、たとえば建物の取得価額や繰延資産などに計上したまま償却費として損金処理されてしまう可能性もあります。勘定科目の適合性は交際費や消費税を処理する上で特に注意が必要です。
  ホームページ’(HP)を使いこなす
 
 最近の国税庁はHPを充実させており、知りたい情報の多くがHPで得られるようになりました。税理士向けのページも新設されました。そのかわり、税務署での直接相談は極力減らす方針のようです。年内には「税務相談室」がなくなるとのこと。税理士でも実務解釈で迷うことはありますが、税務当局は実例・実名で相談を受けると言うものに変わってきました。一般解釈はHPでどうぞということでしょうか。さてHPは充実していますが、目的のところにたどり着くにはかなりの労力がいります。改正された減価償却に関係する法人税基本通達等を確認しようと思って開いていったのですが少々苦労しました。

  E-taxの利用件数が急増

 E-Taxを利用した所得税・個人の消費税の申告件数が大幅に増加しています。本年より税理士にも顧客にも利便性のある制度に切り替えたからの成果でしょう。
 さらに大手のH製作所が連結納税申告でe-Taxを利用し申告書約5,000枚分の紙を節約し、2ヶ月内で申告をすませたとも報道されています。e-Taxを利用するためのシステムを自社開発しており、今後の自社商品開発にもつなげるのでしょうが、普及に大きな影響を与えています。

  地球温暖化を実感しています  

 猛烈にあつい。以前ならば30度を超えたと聞けば"うわーたまらん"と思っていたのに、今では35度36度ではあまり驚かなくなってきている。熱中症で何人も人が亡くなる。ありうるなー、と考えてしまうこと自体異常だと思います。7月はかなり寒く、台風が発生すれば猛烈な大きさに。「地球温暖化」は緊急な課題であると認識していても小さな事から心がけていくしかないのでしょうか。


 いいわけになりますが暫く「通信」をさぼっていました。最近の税務情勢を確認しながらサポート通信をつくります。と言うことはその間、情勢に真正面に向き合っていなかったということ。通常業務の多忙を理由に「気」が起こらないからと正当化させていては、本業から見放されしまうではないかと反省しきりです。地道にこつこつが信条なのに。事務所の体制、経営計画など考えるべきことは山積みです。

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