サポート通信 18年6月
   役員給与改正の影響 
   定期同額給与と事前届出制度    
 
 最近の税務関係誌は役員給与(報酬)関連の記事が多いです。役員給与の改正が企業にもたらす影響が大きいことの表れでもあり、特に中小企業にとって特殊支配同族会社関係の改正は、その影響(増税)が大きく税理士の研修会でも話題になっています。

 「特殊支配同族会社の役員給与の損金不算入」制度の概要は、@業務主宰役員
 グループの持株割合等が90%以上で、かつA常務に従事する役員に対する業務
主宰役員グループ役員の数が50%超の同族会社は特殊支配同族会社とされ、業務主宰役員(1人)の給与額の給与所得控除額分が損金不算入となる、というものです。
 
 しかし、基準所得金額が、@800万円以下、あるいは A800万円超3,000万円以下で、一定の条件の下では、適用が除外されます。基準所得金額の計算の趣旨は、業務主宰役員給与が支給されなかった場合における所得金額はいくらかを求めるというものです。業務主宰役員がいなかったら企業が成り立つのかと素朴な疑問もありますが、この計算がすこし面倒なため、給与がいくらだから御社は該当しますとすぐに答えられないのがもどかしさがあります。
 
 ある税務雑誌の試算によると、基準期間の業務主宰役員給与の平均額が1,500万円超であれば、所得金額がいくらであっても、給与所得控除額分が損金不算入となり、また同平均額が400万円を超えると、損金不算入となる可能性が高まって、当期の税負担が増すことになりそうだ、としています。この改正は18年4月以降開始事業年度から適用され、特殊支配同族会社の判定時期は年度末です。

 すでにいろいろな対応策(?)が囁かれています。
T 90%未満にするため株式を譲渡してしまう。
   留意 @ 経済的合理性・正当性から見てみなし規定に抵触しないか。 
   A 議決権株式が第3者へ移転することの将来の不安。
U 役員総数の割合を変える。
  @ 「常務に従事する役員」は実質的な経営従事形態で判断される。
V 業務主宰役員の給与を下げる。
      @ 給与の減額も可能だが、法人所得が増え税の減少は期待薄。
      A 他の役員より主宰役員のほうが低額の妥当性はあるか。
W 役員給与を下げ、家賃等の支払を増やす。
      @ 合理的な理由があるか。 などなど

 いずれにしても税制改正後まもなく取り扱い解釈も定まっていないような状況なので、対応は慎重にしていくことが肝要です。
 
 株主総会時に役員給与を期首に遡っての増額改訂ができなくなります。
今年の税制改正(定期同額給与)とあわせ、現行の(一括支給分の損金算入を特例的に認めて来た)法人税法通達が廃止される予定です。
       
  事業承継 後継者不足により今後は廃業数が急増する可能性  
 
 中小企業庁が17年度白書を公表しています。そのなかで 中小企業経営者の多くが“事業承継問題”で悩み、経営者の高齢化や後継者不足などに伴い、今後数年のうちに深刻な廃業数の増加が生じる可能性があると予測しています。事業承継問題は、事業承継税制などでは対応しきれない問題となりつつあるようです。一方で1円会社等、最低資本金特例制度の利用法人は一定の効果を発揮し3万3千社の増加になっているとも報じています。

 一方で企業の減少を嘆き、方や企業経営の意欲を削ぐような税制改正があり、複雑。
   営業権 意外に多額な評価額に 

 「営業権の評価」をしばらくぶりに行い改めて驚きました。漠然と評価額があがっているとの認識はありましたが、営業権を想定していなかった法人の評価額が思いもかけず高額になっているのです。
 
 この理由が、16年に改正された基準年利率の低下です。この10年で、8%→3%と順次低下し16年6月からは1.5%と4分の1までに引き下げられています。
 評価の計算は以下の式のとおりで、総資産額の1.5%しか資産価値からの収益力を
認めていないという事です。10年で4分の1にまで激減するほど収益力は低下したのでしょうか。基準年利率の低下は、複利年金現価率も押し上げ営業権評価額をアップさせます。平成15年では営業権が評価されなかったのに、16年から一挙に多額の評価額を計上しなければいけないほど、収益性は改善してきたのでしょうか。また現在の収益性が10年継続していくと考えている経営者がいるでしょうか。企業者報酬も実体からかけ離れた金額に設定している点もあります。営業権によって自社株の評価額が予想以上にアップしている場合があります。注意しましょう。

(超過利益金額) 平均利益金額×0.5−企業者報酬の額−総資産価額×基準年利率
(営業権の評価) 超過利益金額×営業権の持続年数(10年)対応の複利年金現価率

 
  源泉所得税等のお知らせ
 
 毎月納付の方を除く、給与等の源泉所得税の納期は7月10日(月)です。納税資金準備をお願いします。
 
 社会保険の算定基礎届も同じ7月10日までです。
  

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