サポート通信 17年11月
  税 理 士 冥 利    税務署担当官に評価される !    

 過日、相続税申告に対する税務調査がありました。挨拶も終わると、統括官が「ここまで納税者のために土地の評価を行った税理士さんは初めてです。」とおっしゃった。一瞬何のことと思ったのですが、相続財産の土地の評価に関して可能な限り評価を下げていることに対して、評価が適正かどうかをこれから精査していくぞという署側の意思表示であると感じました。
 その後の税務署側の現地確認や私とのやりとりなどを経て、統括官から呼び出しがあり「署側の評価とでは相当の乖離(金額の開き・格差)があるが、今回は先生(ちなみに税理士は先生と呼ばれることがありますが、私はそのように思っていませんが)の評価額で認めます。」との回答がありました。

  相続財産に占める土地の割合は6割から7割です。相続・贈与財産の価額は時価です。しかし時価と言ってもそう簡単には計算できません。そこで税務署は財産評価通達を基準に評価しなさいとしています。多くの税理士が土地の評価を行い申告に反映させています。税務申告での評価金額は1つだけと思いがちですが、評価通達の活用方法によって時価のとらえ方が異なることがあります。5人の税理士が土地の評価をすれば評価額も5つでる、とはよく言われることです。

 そこで冒頭の税務署統括官の発言となったわけです。数億円の土地で評価額に1割の差が生じた場合でもン千万円の税額の差になります。

 土地の評価はその影響が大きいためにリスクもあります。無難な評価ではなく通達等を駆使した細心の評価をおこなうことが税理士の勤めであり納税者の願いにかなうことだと思います。そのような意味で相続人さんの面前で、税務署側の意図は別としても「ここまで納税者のために土地の評価を行った税理士さんは初めてです。」と言ってくれたことに「面目躍如、税理士冥利に尽きる」と感謝した次第です。
       
 生前贈与を有効に活用しましょう

  もう一つ相続税調査の話題。調査では借名預金(家族名義預金)が問題となりました。古くに発生した預金が贈与財産なのか、あるいは相続財産に取り込むべきもので隠していたのではないかということでした。
 相続税の調査時に、名義人の本当の預金であるか借名預金であるか、が問題となる場合が多くあります。最終的には事実認定の問題となりますが、贈与は @あげる・貰うの契約であり双方が認識していること。A財産の管理運用が適正であることが必要です。あげる方と貰う方の印鑑が同じ、申込書の筆跡も同じ、まして通帳も利息もズーツとあげた人が管理しているといった状態では、贈与したとはとてもいえません。

 暦年課税制度による贈与は、大変有効な手段です。のちのち税務署とのトラブルをさけるためにも確実に認められる贈与を行いましょう。
 年末調整の時期が来ました

 本年も年末調整を行う時期になってきましたが、昨年と比べて次の点が変わました。

@本年から所得者本人が年齢65歳以上の人の老年者控除(50万円)が廃止されています。昨年までは還付金があったのにと言う人も多くでそうです。

A本年から国民年金保険料の控除について、支払を証する書類を年末調整の際に添付等しなければならないこととされました。間に合わない場合は確定申告をすることになります。 
 本年も昨年同様の定率減税(年税額の20%相当額)が実施されます。 平成18年1月から10%相当額に引き下げられますので、平成18年1月からの源泉徴収事務で注意が必要です。
 
  個人事業者の消費税・簡易課税と本則課税  

 17年から新規に消費税の課税事業者となった個人事業者は、平成17年分(特例)・18年分について簡易課税制度を選択するかどうかの判断を、今年の12月31日までにしなければいけません。ただし一度選択をすると2年間は本則課税に戻ることができませんので慎重に対応しましょう。
 さらに、初めての消費税納税での資金繰りも配慮しておきましょう。
 
  労災保険とペナルティ
 
 法人と一定規模の個人事業者は労災保険加入が義務付けられています。しかし実際のところ未加入の事業者も少なくありません。しかしこの11月から厚生労働省は未加入事業者に対する加入強化を打ち出しています。
 労災保険の加入手続を怠っていた事業主が労災事故を起こした場合、未納部分の保険料を遡って支払うことはもちろん、労働者が給付を受けた労災保険金の100%又は40%を負担しなければならないということです。ペナルティが高額だからというのではなく加入・納付をしましょう。
  「名義貸し」で弁護士が逮捕されました。
 「名義貸し」で弁護士が逮捕されました。名義貸し税理士の記事も時々新聞には載りますが逮捕はされません。税理士法にはそのような規定が無いのです。借りた方はニセ税理士として罰せられます。貸す税理士がいなければ・・・。  

税理士には研修が義務付けられています。11月は4日間もあり日程調整で大変。

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