サポート通信 17年10月
 税理士会が税制改正の要望を国会議員に陳情しました。    

1.簡易課税制度の選択を申告時に選択する方法に改め、2年の継続適用は廃止する事。
2.土地建物の譲渡損益の損益通算と繰越控除を認めること(16年度改正)
3.同族会社の留保金課税は廃止すること(現在は措置法適用があります)。
4.社会通念上必要な交際費は損金算入することとし、10%課税は廃止すること。
 など、日頃の税務処理で不都合、不合理と思われる項目ばかりです。
       
 来年度の確定申告は税理士も大変

 豊橋税務署管内で、免税点が1千万円に下がったことによって新規の消費税課税事業者が1万1千人増加します。また老年者控除の廃止と年金所得計算の改正による申告者が1万7千人増加し、いままで12万件の申告件数が15万件あまりに増えるそうです。管内人口72万人に対し2割が申告する事態に税務署も大変ですが、税理士業務も繁忙が予想されます。
さらに、これからほとんどの事業者が納税対象となる消費税はかなり重い負担になっていくのも事実です。特に零細企業にとっては納税資金対策をしっかりしておかないと滞納という事態になりかねません。
 断る勇気

 カネボウの粉飾決算に関わりに公認会計士が「指南・黙認」していたとして逮捕されました。今後公認会計士としての継続は困難でしょう。中央青山監査法人も捜索を受けました。
 先日、中小企業が適正にしかも強い体質の企業になるための中小企業向けの「会計に関する指針」が発表されました。私たちは適切な会計と税務処理を行い、その中で最大限節税に向けてのアドバイスをしていきます。しかし反することを求められたときには加担しないと言う強靱な意志が必要です。
 少し前、元国税局長や元税務署長が脱税を指南し自らも脱税をして新聞記事をにぎわせました。彼らは未だに税理士の看板を掲げて業務を行っています。自戒自律の精神を確立したいと思います。
 
  遺産分割前の収入の配分 

 遺産分割が確定する前に発生した賃借料や配当などの収入(法定果実)をどう分配するのかについて、最高裁判所が「法定相続割合に応じて取得すべき」との初めての判断をしました。いままでも下級審の判例や学説では、「数年かかってしまう協議では法定相続分で分割を」という説と、「共有財産として分割協議が必要」と言う説と統一的な扱いになっていませんでした。
 税務の実務面では、未分割遺産にかかる収入については法定相続割合で申告するという取扱いをしていますが、その年内に分割協議が終わった場合などは当初の財産による収入として申告するという裁決もあります。ここでも判例のように統一されてはいませんでした。今回の判断で統一的な扱いになっていきます。
  医療費の抑制と効率化
 
 医師らの団体「医療事故調査会」が医療事故の7割超が医師らのミスと発表しました。鑑定した733件のうち7割超が医師らのミスによるもので、4分の3で医師の技量不足があり、診断ミスが多いとのこと。患者への説明が十分でなく、トラブルになるケースも増加が続いているといいます。
 財政状態のうえで医療費の抑制が大きな課題となっています。
 身体の小さな小児は薬量も体積も当然小さい訳ですが、と言って診療単価が低くていいというものではありません。緊急な診療を必要とする度合いは成人より多いかもしれません。小児科診療報酬は他の科などより低く、過重な労働と言うことで小児科医のなり手が全国的に減少しています。必要な治療が受けられなければ子供を産みたくても安心できません。過剰な医療費や医師の技量不足、診断ミスはごめんですが、少子高齢化社会に向けても必要な医療を効率的に行っていくことと予防医療が重要ではないでしょうか。
 企業経営に於いても総経費の削減ばかりにとらわれず、効率化とのバランスを考える必要があります。
  金融環境
 
 先日、中小企業家同友会で「金融環境」の勉強をしました。中小企業にとって金融環境はとても厳しいものがあります。企業経営者である講師が、最近の金融情勢の動向や信用格付けや、実際の融資の際の金融機関特に保証協会との交渉経過、自社の財務強化の施策の重要性、さらに金融機関とのコミュニケーションの大切さなどを話され、それについて参加経営者が討論をするというものです。 その中では経営計画や経営指針などをツールに金融機関側に積極的にアタックしていくことが、経営者の質と企業の格付評価の向上につながるとの意見が多く出ました。外部に夢を語れる経営者になり、財務体質を強化するという自助努力が必要であり、金融機関と情報の共有を行なっていくことが大切との結論でした。大変勉強になりました。

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