事務所通信 16年3月
非上場株の特例 トリプル減税=16年度税制改正案
  
  みなし配当課税廃止・譲渡税率軽減・取得費加算特例 とトリプル減税

 16年度税制改正案で、いわゆる事業承継税制について税負担軽減という点で大きな改正が行われる旨が明らかにされています。16年4月1日以後に相続等により取得した非上場株式をその発行会社に譲渡した場合に@資本等の金額を超える部分のみなし配当課税適用を廃止し、Aその金額は株式の譲渡所得とする、というものです。みなし配当とした場合の高い所得税率の適用が避けられると同時に、非上場株の譲渡として税率軽減の適用(税率は20%に引下げ)が可能となり、それだけ大幅な税負担減が実現することとなります。さらに、この特例によって、土地等を譲渡したときと同様に、いわゆる相続開始後3年10ヶ月以内の売却による“取得費加算特例”の適用が可能となり、いわばトリプル減税が実現することになります。企業のオーナーにとって自社株の評価と相続対策は悩みの種。自社株の評価が高く相続財産に占める割合も高い場合、今回の改正は事業承継にとっても朗報といえそうです。
 
「土地建物の譲渡損失の損益通算と繰越」を認めるよう提言   公認会計士協会
  公認会計士協会が税制改正案に盛り込まれた、「土地建物等の譲渡損失の他の所得との損益通算及び繰越控除制度を原則廃止する」との措置について、廃止措置を撤回するか、平成16年分の譲渡損失については損益通算及び繰越控除を認めるよう提言を行いました。しかし税理士会は提言していないようです。特定の居住用土地家屋等の譲渡損失の損益通算及び繰越控除制度の創設はありますが、ヒモ付きの借入がなければならず、多くの事案には該当せず、損益通算の廃止はかなりの影響が出そうです。しかも税制改正案としては異例の納税者に不利になる過去に遡りの改正案だけに波紋が生じています。   
ゴルフ会員権
さらにゴルフ会員権が「ぜいたく品」として売却損の損益通算を廃止する方向で、所得税法の改正を財務省が検討しているようです。
 個人が保有するゴルフ場やリゾートマンションの会員権を「投資対象のぜいた品」と見なし、売却時に生じた譲渡損を他の所得と損益通算できないよう所得税法などを改正する方針を固めたとのこと(法人の所有は別)。2005年度から実施する方向で検討に入っており、今年中に損出ししておく方がよいのかもしれません。   
 ビジネス塾  気づきの番組
  私がよく見るTV番組にNHKのビジネス塾があります。地道な企業努力をしている事業者を取材し、成功に導く道筋などをコメントしています。
 先日は「葉っぱがお札に変わる」と題し紅葉などの葉っぱをツマモノとして販売している第3セクターの話題で、料亭や市場からもダントツの支持を得ているというものです。その背景にはリーダー的存在の人が情報を収集活用し細かく提供していること、地域の人材にあった方法でこまめに支援し特色を出していることです。
 地場の工場のネットワークとか問屋の機能を生かした活性化など、毎回それぞれの企業が努力している様が映し出されています。勉強材料になっています。
   
税理士が「脱税を指南」?
過日、元国税局長の税理士が「脱税を指南」と新聞紙上に取り上げられたこと がありました。「エッまさか・またか」と思って記事を読んで見るとそのときは何かしっくりこないところがありました。新聞に載るほどですから違法性が認められたのでしょう。その税理士は「適法で、節税の範囲だ」としていました。私たち税理士は、その時の税法や通達などに逸脱せず適法の範囲で最大限節税できることはしていくのは、当然のことと考えます。解釈の違いなどで、税務当局ともめることもありますが、適法の範囲での節税は誰でも考えることと思います

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