石川誠税理士事務所−通信22年6月


  平成22年度税制改正からピックアップしてみると

相続税における小規模宅地特例の見直し
 相続税の計算において、小規模宅地特例はよく使われる特例措置です。 被相続人が事業もしくは居住の用に供していた一定の宅地等を配偶者または要件を満たす親族等が、相続・遺贈で取得した場合に特定事業用・特定居住用宅地等として80%の評価減の適用がされます。 改正により、継続性要件が見直され居住等が申告期限まで継続されない場合は適用されなくなります。また共同相続でも取得者ごとに判定し居住しない者は減額ゼロ%に。さらに用途ごとに該当する部分とそれ以外の部分と按分し計算することとなりました。今年の改正で、税金面から遺産分割の仕方や相続税対策への影響がでてきそうです。


消費税法改正で還付手法が制限される
 平成22年4月1日以後に課税事業者選択届出書を提出した事業者の同日以後開始する課税期間から、また平成22年4月1日以後新設法人(資本金1,000万円以上)の設立2年間(原則)に100万円以上の建物・機械等(調整対象固定資産)を取得した場合は、その取得があった課税期間を含む3年間は消費税の原則課税が強制されることとなりました。これによりいわゆる「還付スキーム」が制限されることとなりました。


上場株式等の取得費の特例が本年12月末で廃止
 平成13年9月30日以前に取得した株式を22年12月31日までの間に譲渡した場に、譲渡所得の計算上収入金額から控除する取得費を13年10月1日における価額の80%とすることができる措置がありました。これが本年22年12月31日で廃止されます。該当する株式を持っている人は、年末までの売却も視野に入れてもいいのかもしれません。


税額表は変わりません。
 子供手当の創設と扶養控除の廃止が話題になりました。税務署から「税額表」が送られています。しかしこの表は平成22年分も平成23年分変わりません。 「16歳未満年少扶養親族」だけが控除対象から除かれ、扶養控除制度がなくなるわけではありません。所得税の税率も変わらないので、源泉徴収の「税額表」は変わりません。年末に「平成23年分の扶養控除等(異動)申告書」を提出する時に注意してください。


 この1月、新たな会計ソフト導入のため「TKC」に入会しました。いまも当事務所では、弥生会計と他のオフコン会計ソフトを使用しています。不都合を感じた訳でもありませんし、e-Taxも100%行ってきました。 では、なぜ新たに費用も時間もかなりかかるのにTKCに加入したのかというと、これまでの会計処理の流れの中で、会計事務所の付加業務として提供するべき事が不足していたかなと、ずっと気になっていたからです。
勿論、基本的な会計処理、税務処理がおろそかになっていたわけではありません。 地方税e-Taxも100%行っており、税理士事務所としてはまずまず進んでいると自負しています。
 しかしこれからの時代の会計事務所としては、管理会計に十分なの資料助言を提供できたいたかというと必ずしも満足のいくものではなかったと思います。異業種勉強会などで、管理会計の重要性について学ぶにつけ必要な時に最適な管理会計情報を提供していくことが、会計事務所として求められていると実感しています。これからの事務所経営の一つの柱にするべく、新たな投資として「TKC]を導入しました。時折、新聞やTVにて宣伝をおこなっており一見派手なように見えます。しかし研修会などに参加すると、皆さん真摯に顧客企業の発展、業務向上に取り組んでいます。
 これからの10年は、TKCの情報やノウハウは勿論、顧客に適正な管理会計情報が提供できる事務所になっていきます。


  中小企業が元気になる施策を
 2030年には5人に1人が高齢者になるといいます。当然中小企業の経営者もその流れから逃れ得ません。そして中小企業の経営者にとっては後継者の問題は切実です。あるアンケートで、20%弱の中小企業の経営者は、近くに適当な後継者が見つからない。後継者がいなくて廃業する中小企業は年7万社に上るとありました。もちろん経営者自身が、事業承継は第2の創業と思いそのためにたえず現場に身を置け と 自ら叱咤激励しながら頑張っています。

 10年先には経営者の多くが、高齢者になる現実が迫ってきています。中小企業が元気になる施策が必要です。私も参加する中小企業家同友会では、「日本経済を草の根から再生するためには、中小企業・自営業が元気になりその本来の力が発揮できるような環境を整えることが必要」と考え「中小企業憲章」の制定運動を提起しています。地域経済の活性化が私たちの生活も守ると思います。

宮崎県の口蹄疫感染とリスク管理

 口蹄疫のため、連日大量の感染牛が殺処分されています。埋立てされるTV画像を見るにつけ、大変痛ましいし、飼育農家や関係者の心痛は計り知れないです。ブランド種牛も多く処分され今後の宮崎県の畜産関連事業に多大な影響を与えることだろうと思います。費用と効率、危機管理のかねあいは難しいですが、結果論としても種牛を分散飼育していたらと思いました。適切な農業政策によって早期の回復を願うばかりです。 


                                きく